鉄道3DCG製作記 103系 (28)
客室完成!!
レンダリング時間103時間30分!!
高解像度版はこちら。
というわけで客室のモデリングが完了しました。今回は扇風機と座席周り、網棚、広告枠、その他小物類の取り付けを行いました。
と、その前に101系や現在の103系の車内を(なるべく)同じアングルで撮影した写真を下記に掲載します。

秩父鉄道デハ1103(旧国鉄101系) 非冷房車
103系デビューの2年間に製造され、比較的に最初期の103系に近い内装だった

クハ105-8(元クハ103-1029) WAU202簡易冷房改造車 特別保全工事済み
特別保全工事により床が茶色くなりデコラがクリームになっているが戸袋が埋められておらず、
簡易冷房のため非冷房に近い内装を見ることができる

クハ103-162 集中冷房改造車 延命NA施工済み
延命NA工事によりデコラのクリーム化の他、ドアの交換が行われ戸袋も埋められている

モハ103-400 集中冷房量産車 延命N40施工済み
延命N40工事により窓の黒サッシ(ブロンズ窓枠)化が行われている。またこの車両は座面が大型化している

クハ103-86 WAU102分散冷房改造車 延命N40施工済み
非ユニット窓から黒サッシ化されドアも交換されているが、分散冷房により丸い天井が見える
ちなみに現役103系では一番の若番となっている

モハ103-779 集中冷房量産車 体質改善30N施工済み
体質改善30N工事によりかなり車内の印象が変わっているが、窓枠とドアはオリジナルのまま

モハ102-1512 集中冷房量産車 延命工事施工済み
1500番台はどちらかというと201系や203系に近いテイストの車内になっている
![]() おまけ1 モハ102-396 集中冷房改造車 延命N施工済み 特別保全工事が行われていない車両で 延命工事を施工した車両 |
![]() おまけ2 クハ103-32 集中冷房改造車 更新未施工 特別保全工事が行われておらず 戸袋は埋められているものの内壁は緑のままの車両 |
デビュー時の車内と比べていかがでしょうか?
では今回の制作を振り返ります。
まずは非冷房の車内なら否が応でも目立ってくる扇風機の作成ですが、この扇風機は「三菱電機」製(下図左)と「川崎電機製造(現:富士電機)」製(下図右)の2種類があります。
それぞれの扇風機は微妙に差異があり、三菱電機製の扇風機は穴から伸びる持ち手部分が斜めにカットされてて川崎電気製は垂直に切り立っているという他、わかりやすい部分では首振りの軸を繋ぐ輪っかの中心線部分に補強の淵がついているものが三菱製で、そうでないのが川崎製だそうです。
で、問題のどちらの扇風機を作るかなのですが、川崎重工製の車両はほぼ100%川崎電気製の扇風機が取り付けられるようなのですが、日本車輛製は判りません。
とりあえずネットで調べると引退時のクハ103-1に川崎製の扇風機が一つ取り付けられていたようなので、これを元に川崎製をチョイスしてみました。(実際は工場入場時に取り換えられたりするため、必ずしも付いている扇風機がオリジナルとは限りません)
モデルはまず扇風機を納める穴の部分となる帽子をレイズモデファイアで作成、突起や切欠きなどを別パーツで作成してくっつけたり削ったりして形成。扇風機本体ももほとんどレイズで作り、軸はラインツールをスウィープモデファイアで太くして作ります。
羽の部分は面ツール等では作れないので、久々にラインツールをパッチ編集して面を成形しました。(ちなみに東芝製は風量増加のために4枚羽ですが、三菱製はスリーダイヤになぞらえて3枚羽を頑なに守るそうです)
モデリングが完成したら羽と軸の部分にアニメーションを仕込んで一応回転するように設定しました。(下図左)
そして完成したモデルを車両に仕込むのですが、全てランダムな回転位置でアニメーションを停止させ、首振りをバラバラにしました。(下図右)
次に座席ですが、実を言うと布の質感というのは再現しようとすると非常に大変です。ドツボにハマります。
なので先日大阪へ取材旅行した際に撮影してきた座席のモケットを使用しました。
国鉄時代のモケットの色は「青14号」という、また国鉄色のWikipediaにも載っていないマニアックな色です。
現在の関西圏で使用されている座席の青色は明るすぎるので使用できないのですが、正確なマンセル値もRGBカラーもわからない「青14号」を再現するには、現在の明るい座席のモケットを色調整して再現するしかありません。
というわけで左の写真からモケット部分だけを切り抜き、青15号より若干明るい感じの色を再現してテクスチャを作りました。
それと座席と一緒に蹴込板を作ります。当時はヒーターが座席直下に内蔵のため、垂直に切り立った箱型の形状で、熱逃がしの穴を開けます。(穴の数は資料写真から頑張って数えました)
現在の蹴込は蹴込板手前部分にヒーターを横一列に取り付けたので、垂直ではなく斜めに傾斜しています。
蹴込板の側面には非常用ドアコック操作用の赤い枠付き穴が開けてあります。これは昭和42年度本予算車から四角い板で蓋をするようになったので、この状態の写真を発見した場合は本当に103系デビュー当時に近い内装写真です。
そして蹴込板を取り付けたら座席のクッションをモデリングします。この時座面のクッションの四隅にモケットの縫いあげの溝もモデリングしてみました。
座席部分が完成したら袖仕切りのパイプを取り付け、荷棚のパイプに接続します。そして忘れずに網棚を作ります。
この網棚ですが、現在はアルミ製の網を使用していますが、これも昭和40年度第1次民有車からのもので、当初は木綿の網を使用していました。これを一々モデリングしていた場合さすがにポリゴン数が大変なことになってしまうので、テクスチャで済ませてしまいました。
続いて広告枠ですが、103系の広告枠は完全に別パーツ化されていて、これを天井板に固定するという形で取り付けていました。(下図左)
取り付ける位置はドア上2つと窓上2つのセット。当初窓上の広告枠は東京圏の車両のみだったそうです。この広告枠も昭和42年度本予算車で2つセットから4つセットに増設されています。あと天井からの中吊り広告枠も取り付けます。(下図右)
何が凄いって、この広告枠。殆ど形状と機能を変えずにE233系にも使われているところでしょうか。
最後に小物類ですが、仕切り壁に取り付けられている非常警報器をモデリングします。とりあえず図面が無いので、鉄道博物館で簡単に採寸したものをベースに写真からサイズを測り作成します。
そして最後に銘板(案内板)を作りますが、車内に張り付けられているのは非常用ドアコック関連のものと禁煙案内、製造銘板です。ちなみに車両ナンバーは昭和40年度第1次民有車まで手書き(切文字?)でした。
これらを仕切り壁に取り付けて、客室内の全パーツ作成完了です!
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車端部もレンダリングしてみたのですが、露出間違えてぶっ飛び気味に…
(こちらも50時間ほどレンダリングしてたのでやり直すこともできず…)
次回からいよいよ運転室の作成です。
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
すごすぎ。 この変態!
投稿: ぽんじゅーす | 2014年11月 6日 (木) 19時56分
ごっつぁんです!!
投稿: 元スタッフ | 2014年11月 7日 (金) 10時22分
クオリティ高すぎです!
投稿: | 2014年12月 6日 (土) 19時19分
ありがとうございます!
終わりません!
投稿: 元スタッフ | 2014年12月27日 (土) 18時04分